解体工事までの準備

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解体工事着工までの準備

1.建設リサイクルの届出

近年では、産業廃棄物の増加に伴い、最終処分場のひっ迫のため

産業廃棄物の不適正な処理をめぐる問題が深刻化しています。

木材・コンクリート・アスファルトなどの解体工事で発生する

産業廃棄物全体の割合の2割を占めると言われています。

また、不法投棄量の6割を占めており深刻な問題となっています。

更に、高度経済成長期の昭和40年代に建てられた建物が

現在、取壊しの時期を迎え、今後建設廃棄物の処分量が

増加する傾向が予測されます。

この解決策として、資源の有効な利用を確保していかなればならず

これらの廃棄物について再資源化を施し、再び利用していくため

平成12年5月に建設リサイクル法が制定されました。

建設リサイクル法では、特定建設資材(アスファルト・コンクリート

木材)を用いた建築物に係る、解体工事で排出される特定建設資材を

使用する新築工事等であり、一定規模以上の建設工事について

その受注者等に、分別解体及び再資源化をを義務付けています。

分別解体及び再資源化等の実施義務の対象となる建設工事の

規模に関する基準については、建築物の解体工事では床面積80m2以上

建築物の新築又は増築の工事では床面積500m2以上

建築物の修繕・模様替え等の工事では請負代金が1億円以上

外構物の解体工事では請負代金が500万円以上と定められています。

対象建設工事の着工に当たり、工事着工の7日前までに発注者から

各都道府県知事に対して、分別解体等の計画等を届け出ることを

義務付けたられています。

建設工事の請負契約の締結に当たり、解体工事に要する費用や

再資源化にかかる費用を明記することを義務付けられました。

更には、適正な解体工事の実施を行うため

解体工事業者の都道府県知事への登録制度が創設されました。

2.近隣挨拶

解体工事を施工する1週間程前に解体工事を行う建物に対して隣接する

近隣の皆様へ、解体工事の詳細【解体場所、開始日時、作業時間、連絡先】

等を記載した書類を挨拶と共に、渡さなければなりません。

近隣の皆様に、日々の生活に支障が出ないよう、安心して頂くために

解体工事の安全性、管理計画を明確に伝える義務が我々にはあります。

施行中、施工後もアフターフォローをしっかり行い

その後の新築工事や駐車場工事といった、新築工事に支障が出ないよう

心がけることで、地域や関係者各位様への信頼に繋がります。

解体は壊す工事ですが、その後新しい命が吹き込まれる大切な工事です。

未来へ繋がる工事を心がけることが、解体業界の発展に繋がると信じています。

3.ライフラインの撤去

解体工事を行う際に欠かせないのが、施工を行う建物の

電気、ガス、水道等の撤去が必要です。

撤去せずに解体工事を行うと感電やガス漏れ、更には

水道管の破裂等、地域住民、近隣の皆様へ多大なる

ご迷惑をお掛けすることになりかねません。

解体工事を行う際は、必ずライフラインの撤去を行いましょう。

電気の撤去

電気の撤去としまして、電気メータ、引き込み線の撤去を行います。

放置して解体を行いますと、感電や電柱、電線の破損に繋がり

停電などの重大な事故に発展する恐れがあります。

そうなれば、所有者や近隣の皆様へ多大なる迷惑を被る危険があります。

必ず、各地区の東京電力又は、パワーグリッドまで撤去の依頼を行いましょう。

ガスの撤去

ガスの撤去としまして、まずは、各地区の適切なガス会社へ連絡をし

ガスの供給を止める連絡をしなければなりません。

都市ガスの場合

都市ガスの場合は、ガスメーターの撤去に加えて、宅内のガス管に対し

道路境界でガス管を切断する【地境撤去】を依頼しないといけません。

プロパンガスの場合

プロパンガスの場合は都市ガスと異なり、道路までのガス管が

ありませんので、プロパンボンベの撤去並びに、メーター撤去が

主な作業になります。

水道の場合

水道の場合は、解体の際に粉塵が発生するため必ず水を撒いて

粉塵を抑制する作業が解体工事には不可欠であります。

解体工事が終わるまでは、いつでも散水できるようにしましょう。

擁壁の撤去など、水道管に影響がでる工事では

必ず、各地区の水道業者へ連絡をして、水道管の迂回処置を

行わなければなりません。

この処置を怠ると、重機のアタッチメント接触によって

水道管破裂などの、重大な災害へ繋がる恐れがあります。

必ず、適切な処置を行い、有効活用しましょう。

まとめ

解体業界は近年目覚ましい発展を遂げています。

高度成長期に建てられた建物が取壊しの時期を迎え

更にその勢いは加速する一方、産業廃棄物の処理や

地域住民、近隣住民への配慮、アスベストの届出など

諸問題は山積みになるでしょう。

今後の解体業界発展のためには、適切な処分や申請

近隣住民へ配慮した解体工事の取組みを余儀なくされています。

解体前の準備はしっかりと処置をして、解体工事を行いましょう。

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